【1級FP監修】顧客からのクレームが増加!?仕組債とは
数年前から、新聞などで「仕組債の販売、顧客からのクレーム、金融庁が問題視」などの記事を見かけますが、PrivateFpにも金融セカンドオピニオンで、金融機関に勧められたと相談があります。
問題改善のため、今後金融機関は、顧客本位の業務運営が求められ、仕組債の販売方針の改善が必要になります。
一方、投資家は、金融商品の知識向上が不可欠です。
今回はその仕組債の概要をチェックしましょう。
【結論】自己責任を全うするため、投資家も金融商品の条件を細かく確認すること
仕組債とは
発行体の資金調達に使われる債券がありますが、仕組債は、一般的な債券と違い、「スワップ」や「オプション」などのデリバティブ取引、金融派生商品を組み合わせた債券になります。デリバティブ取引は組み合わせることにより、一般的な債券よりも、発行体、投資家のニーズに合わせて、条件決定、組成(設計)することができます。
元々は機関投資家や富裕層などのプロ向け金融商品でしたが、最低購入金額が低くなり、一般の消費者層の投資家も購入ができるようになっています。
代表的な仕組債(他社株転換可能債・株価指数連動債)
銀行、証券会社でよく販売する仕組債を紹介します。
〇EB債(他社株転換可能債券)
EB債(イービー債:エクスチェンジャブル・ボンド)とは、「他社株転換可能債」といわれる複雑な仕組債です。
債券ですが、償還日までの対象株式の株価変動によっては、満期日に金銭(償還金)が支払われる代わりに、当該債券の発行者とは異なる会社の株式(他社株)が交付される場合もあります。
交付された株式の時価が当初の投資額よりも下がり、元本割れの可能性があります。その代わり、一般的債券(国債や社債)より金利が高いのが特徴になります。
〇リンク債(株価指数連動債券)
リンク債(株価指数連動債券)は、連動する株価指数や株価の変動によって、満期で満額を受け取れなかったり、または予定より早く満額償還されて高い利子を受けられなくなる仕組債です。
リンク債(株価指数連動債)は、期間中に対象株価指数があらかじめ決められた水準以下となることを「ノックイン」いい、「あらかじめ決められた水準」のことを「ノックイン価格」といいます。
連動する株価指数や株価などの価格があらかじめ定めたノックイン価格を下回ることにより、額面100%で満期償還しない場合、元本割れの可能性があります。その代わり、一般的債券(国債や社債)より金利が高いのが特徴になります。
賢く利用するには
元々はプロ向けの金融商品の仕組債ですが、一般の投資家も購入が可能になっています。仕組債は制度上複雑ですが、仕組債自体に問題はありません。今回の問題は、投資家のリスク許容度や運用方針、金融商品の理解度に合っていない販売が金融機関で行われていたことです。
本来、プロ向けの仕組債では、投資金額が高額な為、条件も投資家・発行体にとって好条件で組成(設計)することができますが、一般の投資家向けでは、条件も限られています。また、金融機関側がどれくらいの手数料を受取るかでも条件が違ってきますので、投資家自身で条件を確認して、内容が悪ければ断ることや好条件仕組債を引き出すことも必要です。
PrivateFpの相談者でも、一般的な社債と思って購入したが、金融セカンドオピニオンにて説明を受けると仕組債だった方がいらっしゃいます。
購入した金融機関に元本割れの可能性が少しでも抑えたいと希望したのに、このような結果です。本当に金融機関の営業姿勢の問題です。
元本割れの可能性を抑え1%リターンで満足する方やリスクを取ってリターン5%で満足する方がいるように投資家一人ひとり資産運用の方針、リスク許容度が違います。
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