【1級FP監修】耐震改修の補助金、上乗せする自治体も

地震大国『日本』で、私たちの住む住宅の耐震診断や改修について、多くの自治体は耐震診断や補助金で支援を行っています。2024年に発生した能登半島地震から旧耐震基準の住宅耐震化は国民生活を守るための急務として取り組んでいます。

自治体が無料で行う耐震診断と耐震改修のポイントを紹介します。

【結論】自治体から数十万円以上補助金、新しく住宅を新築するより費用面で大きくプラス

自治体が支援する耐震診断

耐震診断とは建物が地震の揺れにより倒壊するかしないかを判断するための調査です。木造住宅の耐震診断の基準は、「木造住宅の耐震診断と補強方法」(財団法人日本建築防災協会)が広く利用されており、「誰でもできるわが家の耐震診断」、「一般診断法」、「精密診断法」の3つの方法があります。

一般的に多い「一般診断法」は木造住宅が大地震(震度6強~震度7)の揺れに対して倒壊するかしないかを上部構造評点(Iw)の結果により、建物が必要な耐震性能を満たすには、Iwが1.0以上である必要があります。

Iw値とは建物の粘り強さに形状や経年等を考慮して算出される構造耐震指標です。Iw値は『Iw値=Pd(家の保有耐力)/Qr(耐震のために必要な耐力)』という式で算出、建物の耐震性能を評価することができます。

自治体が支援する耐震診断の主な申請基準は下記の通りです。
主な申請基準

  • 昭和56年5月31日以前に着工された住宅。
  • 所有者が自ら居住する住宅。
  • 一戸建ての木造在来工法の住宅。
  • 申請行政地域内の住宅であること。
  • 長屋、共同住宅および賃貸住宅以外の個人所有住宅

お住まい内の市町村で申請することによって提携している建設会社・設計事務所などで無料~数万円で耐震診断を受けることができます。

耐震診断では、
 ◎総合評点1.5以上は倒壊しない


 〇1.0以上は一応倒壊しない


 △1.0未満は倒壊する可能性がある


 ×0.7未満は倒壊する可能性が高いとなります。

旧耐震基準の住宅に居住の場合や購入を検討している方はぜひ、チェックしてみてください。
メリットとしては、住宅ローンの借入の優遇や地震保険の加入条件や割引、改修を行うと税の優遇(住宅耐震改修特別控除、固定資産税の減税、住宅ローン控除)などあります。

耐震改修工事の見積額と補助金

耐震補強工事の見積額は150万円~250万円が多いです。自治体が支援する耐震改修の補助金は自治体で異なり50万円~200万円になります。長野県などは市区町村と県から両方受け取れる自治体もあります。

補助金の主な申請基準は下記の通りです。
主な申請基準

  • 自治体が派遣した耐震診断士による精密な耐震診断が行われている既存木造住宅であること。
  • 上記耐震診断の結果、総合評点が1.0未満の住宅であること(建替工事・補強工事とも)。
  • 耐震診断した住宅と同じ敷地で建替工事が行われること(建替工事)。
  • 耐震補強工事後の総合評点が0.7以上かつ工事前の総合評点を上回る補強工事が行われる住宅であること(補強工事)。

建て替えや耐震改修など自治体から補助金が受け取れる可能性があります。お住みの自治体にお問い合わせください。

耐震化した中古住宅もマイホームの選択肢

材料費、人件費の高騰により、不動産価格は右肩上がりで増加しています。夢の新築マイホームの負担が以前より大きくなっています。

人生の3大支出は「住宅資金」「教育資金」「老後資金」です。家計に合った支出をしないと老後資金にしわ寄せが行き、老後資金が枯渇する可能性あります。
住宅資金を抑えるため、中古住宅購入して耐震化することも賢い選択肢の方法の一つです。

PrivateFpは数多くのファイナンシャル・プランニングの経験から、自分自身に合った上手な不動産運用設計を支援します。

出典 国土交通省 不動産価格指数令和6年1月・第四四半期分

長野県耐震化支援の一例

出典 長野県 住宅の耐震改修上乗せ補助 公式HP

公式HP 一般財団法人 日本建設防災協会

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